NuGetパッケージの作り方、或いはXmlエディタとしてのVisual Studio

linq.js 2.2.0.2をリリースし、今回からNuGetでも配信されるようになりました!linq.js、もしくはlinq.js-jQuery、linq.js-Bindingsで入りますので、是非お試しを。ちなみに更新事項はちょっとBugFixとOrderByの微高速化だけです(本格的な変更は次回リリースで)。

さて、そんなわけでNuGetに対応したので、今回はNuGetのパッケージの作り方、公開のしかたについて解説します。やってみると意外と簡単で、かつNuGetいいよNuGet、と実感出来るので、特に公開するようなライブラリなんてないぜ!という場合でも試してみるのがお薦め(参照先としてローカルフォルダも加えられる)。普通に小さなことでも使いたくなります。そういえばでどうでもいいんですが、私は「ぬげっと」と呼んでます。GeForceを「げふぉーす」と呼ぶようなノリで。ぬげっと!

NuGetを使う

NuGetとは何ぞやか、大体のとこで言うと、オンラインからDLLとかライブラリをサクッと検索出来て、依存関係(これのインストールにはアレとソレが必要、など)を解決してくれた上で参照に加えてくれて、ついでにアップデートまで管理してくれるものです。Visual Studioの拡張として提供されているので、インストールはCodePlexからでもいいですが、VSの拡張機能マネージャからNuGetで検索しても出てきます。

インストールすると参照設定の右クリックに「Add Library Package Reference」というのが追加されていて、これを選択すると、トップの画像のようなNuGetの参照ダイアログが出てきます。最初NuGetが喧伝されていたときはPowerShellでのConsoleでしたが、ご覧のようにGUIダイアログもあるので安心。Consoleのほうが柔軟でパワフルな操作が可能なのですが(PowerShellを活かしたパイプやフィルタで一括ダウンロードとか)、普通に参照してーアップデートしてー、程度ならば別にGUIでも全然構いませんし。

.nupkg

NuGetを通してインストール/参照を行うと、プロジェクトのフォルダにpackages.configが生成されています。しかしこれはどうでもいいのでスルー。.slnのあるディレクトリにpackagesというフォルダも生成されていて、実体はこちらにあります。そこにはパッケージ名のフォルダが並んでいて、中には.nupkgという見慣れないものと、libもしくはContentというフォルダがあるのではないでしょうか……?

nupkgが最終的に作らなければならないもので、実態はただのzip。nupkgと同フォルダにあるlib/Contentはnupkgが展開された結果というだけです。というわけで、適当なパッケージをダウンロードして(linq.jsとかどうでしょう!)zipにリネームして解凍するとそこには……!

_relsとか[Content_Types].xmlとか、わけわからないものが転がってます。これらはノイズです。ようするに、System.IO.ZipPackageを使って圧縮してるというだけの話ですねー、恐らくこれらがある必然性はないです。ただたんに、.NET Framework標準ライブラリだけでZipの圧縮展開をしようとすると、こうしかやりようがなかったという、ただそれだけです。だから早くZipライブラリ入れてください(次辺りに入るらしい)。

大事なのは、.nuspecです。

.nuspec

.nuspec(中身はXml)に、バージョン情報やID、依存関係などが記載されています。といったわけで、自分で作らなければならないのは.nuspecです。これにパッケージしたいファイルや配置場所などの定義を記述し、それをNuGet.exeというものに通すと.nupkgが出来上がる、といった流れになっています。

nuspecの記述には、既存のnuspecを見るのが参考になるかもでしょう。但し、既存のnupkgを落として展開した結果のnuspecはNuGet.exeを通された時点で再加工されているものなので(パッケージ用のファイルの場所などの情報は消滅してる←まあ、絶対パスで記述可能だったりするので消滅してないと逆に困るわけですが)、100%そのまんま使える、というわけではないことには少し注意。

XmlエディタとしてのVisual Studio

では、nuspecを書いていく、つまりXmlを書いていくわけですがエディタ何使います?勿論Visual Studioですよね!Visual Studioは最強のXmlエディタ。異論はない。えー、マジXmlを補完無しで書くなんてシンジラレナーイ!小学生までだよねキャハハ。というわけで、補完全開で書きます。補完さえあればリファレンスなくても書けるし!IntelliSense最強説。

そのためにはスキーマが必要なわけですが、ちゃんと用意されています。NuGet Documentationの下の方のReferenceの.nuspec File Schemaにスキーマがリンクされています。CodePlexのソースリポジトリに直リンクというのが色々潔いですな。

さて、適当に新規項目でXmlを作ったら、メニューのXML->スキーマのダイアログを開き、nuspec.xsdを追加してやりましょう。

そして、とりあえずは<とでも打ってやると補完に!–とか!DOCTYPEなどなどに並んでpackageというものが。これを選択すると、一気にxmlns=”http…”と名前空間まで補完してくれて!更に更に書き進めれば……。入力補完は効くし、必須要素が足りなければ警告出してくれるしでリファレンスとか何も見なくても書ける。

これなら打ち間違えでエラーなども出ないし、完璧。Xmlなんて普通のテキストエディタで気合で書く、とか思っていた時もありました。もうそんなの無理げ。VSバンザイ。なお、FirefoxのアドオンのGUI定義などに使うXULのSchemaなども当然適用出来る - XUL Schema ので、まあ、補完のないテキストエディタなんて使ってたら死んでしまうです。

なお、毎回毎回、スキーマの追加参照するのは面倒くさいという場合は、VSの標準スキーマ参照ディレクトリにxsdを直に突っ込んでおくと、楽になれます。オプション->テキストエディター->XMLでスキーマ、で場所が設定出来ます(デフォルトは %VsInstallDir%\xml\Schemas のようで)

パッケージング

nuspecのリファレンスは.nuspec File Formatに。IDとかVersionとかしか書かないし、項目も少ないしネストもないので書き方というほど書き方はないです。参考までにlinq.js-jqueryのnuspecは

<?xml version="1.0" encoding="utf-8" ?>
<package xmlns="http://schemas.microsoft.com/packaging/2010/07/nuspec.xsd">
    <metadata>
        <id>linq.js-jQuery</id>
        <version>2.2.0.2</version>
        <title>linq.js - jQuery Plugin Version</title>
        <authors>neuecc</authors>
        <owners>neuecc</owners>
        <requireLicenseAcceptance>false</requireLicenseAcceptance>
        <description>Linq to Objects for JavaScript. This version is plugin integrated with jQuery.</description>
        <language>en-US</language>
        <licenseUrl>http://linqjs.codeplex.com/license</licenseUrl>
        <projectUrl>http://linqjs.codeplex.com/</projectUrl>
        <tags>linq javascript jquery</tags>
        <dependencies>
            <dependency id="jQuery" version="[1.3.1,]"></dependency>
        </dependencies>
    </metadata>
    <files>
        <file src="../../jquery.*" target="Content\Scripts" />
    </files>
</package>

といった感じ。tagsはスペース区切りで入れておくと検索の時にそのワードで引っかかる。dependenciesは依存関係がある場合に記載。対象バージョンの書き方に関してはSpecifying Version Ranges in .nuspec Filesを見て書くべし。

filesは後述するNuGet.exe(コマンドラインツール)でのパッケージング時に参照するファイルを設定。何も記載しない場合はNuGet.exeの実行時引数で解決されるので、どちらでもお好みで、という感じですが、普通はこちらに書いておいたほうが楽な気はします。

ファイル指定のsrcではワイルドカードとして*が使えます。targetのほうは、nupkgにパッケージングされた時の階層の指定。この階層の指定は非常に重要です。「Content」の下に記載すると、プロジェクト直下に対象を配置します。この例では Scripts 下に「jquery.linq.js, jquery.linq.min.js, jquery.linq-vsdoc.js」が展開されることになっています。Scriptsというフォルダ名はjQueryに合わせてあります。勿論、対象は.csでも.txtでも何でも可。

では、普通のC#でのdllのように直下には.dllとか置いて欲しくないし参照設定にも加えて欲しい、という場合はどうするかというとtargetを「lib」にします。すると自動で参照設定に加えてくれます。この「Content」とか「lib」とかってのは名前で決め打ちされてますので、そーいうものだと思うことにしませう。

残るはパッケージ化。まずNuGetのトップからDownloadsタブ(Downloadボタンじゃなく)を選び、NuGet Command Line Toolをダウンロード。このNuGet.exeに対して引数「p ファイル名」でnuspecを指定してやればnupkgが出来上がります。私はnuspecと同じ階層にexeを置いて、ついでにbatファイルに

nuget p linq.js.nuspec
nuget p linq.js-jquery.nuspec
nuget p linq.js-bindings.nuspec

とか書いたのを置いて3個のパッケージを作ってます。この辺は好き好きで。

以上が基本的な感じです。ただたんに参照設定に加える、ファイルを配置する、以上のことをやりたい場合はインストール時にPowerShellスクリプトを実行、なども出来るので色々柔軟に手を加えられそうです。また、.NET Frameworkのバージョンによって参照させるファイルを変える、といったことはフォルダの構成を変えるだけで対応で可能です。例えば.Net4の場合は lib/Net4 に、Silverlightへは lib/SL4 に、といったような感じ。

といったルールなどはNuGet Creating a Packageを見るといいでしょう。また、バージョンのフォルダ分けがワケワカランという場合は既存のnupkgを展開してフォルダ構成を見てしまうのが手っ取り早いかも。Rx-AllやNewtonSoft.Jsonなどなど。

ローカル参照としてのNuGet

nupkgは別にオフィシャルのサーバーだけではなく、個人で立てたサーバーも参照出来ます。また、それだけでなく、ただたんにフォルダを指定するだけでもOKです。

作ったnupkgはこれでテスト可能です。また、頻繁に参照に加えるものはわざわざOnlineに繋げて取ってくるの重い!という場合では一度落としたnupkgをローカルに配置してしまうのも悪くないかもです。テストというだけじゃなく、これは普通に使えますね?今まで参照設定の共通化というとテンプレート作って、程度しかありませんでしたが、これならばいい具合に自由度の効いたものが出来そうです。社内/俺々フレームワーク置き場として活用できそう。

なお、現在は、ローカル参照のパッケージは、GUIのパッケージマネージャだとバージョンが上がってもUpdatesに現れなくてアップデート出来ません。Consoleならば現れるので、ふつーにバグのよう。で、報告されていましたし修正もされていた(今リリースされているのには反映されてないもよう)ので、次のリリースでは直ってるんじゃないかと思われます。

NuGet gallery

せっかく作ったパッケージはOnlineに乗せたいよね!NuGet galleryでパッケージの閲覧・登録・管理が出来ます。よーし、じゃあパパSign Inしちゃうぞー、Registerして、と。やってもいつまでたってもInvalid Passwordと言われてしまいます。あれれ……。

現在は管理者の承認が必要なようで David Ebbo: Introducing the NuGet gallery Registerしたら、Twitterの@davidebbo宛てにapproveして!と言わないとダメぽ。私は「Hi. I registered nuget.org, id is “neuecc” . plaease approve my account.」と、スペルミスしてる適当不躾な@を飛ばしたところ数時間後にSign In出来るようになりました。いつまで認証制なのかは不明ですが、いまんところそんな感じなようです。

まとめ

オンラインで簡単にDLLをインストール出来て便利!というのは勿論ありますが、ローカルで使ってみても存外便利なものです。ぬげっといいよぬげっと。NuPackからNuGetに名前が変わったときは、事情は分かる(NuPackは名前が被ってたらしい)けど、NuGetはないだろ、いくらなんでも。と、思ってたんですが、今は何かもうすっかり馴染んだ気がします。ぬげっと。ぬぱっけーじ。ぬすぺっく。

とりあえず私は今後作るのは勿論、今まで出してきたものも、順次対応させてNuGet galleryに登録していくのでよろしくお願いしま。勿論linq.jsもよろしくお願いしま。今回の2.2.0.1は表には何も更新されてない感じですが、裏側の体制を整えてました。

F#スクリプト(fsx)により、linq.jsからAjaxMinのdllを通し圧縮化と、ついでにjQueryプラグインを生成したり、これまたF#スクリプトでリリース用のZip圧縮をワンクリックで一発で出来るようにしたり。今まで手動でやっていた(そしてミスしまくってた!リリースから10分で撤回して上げなおしとか今まで何度やってきたことか)部分を完全自動化したので、もうミスはありません。そして、自動化されたことによりリリースはミス出すし面倒なので、もう少し色々やってからにするかー、とズルズル後回しにする心理がなくなりました。多分。きっと。NuGet対応したことだしで、当分はアクティブにアップデートしていきます!

そんなこんなでF#スクリプトはぢめました。素晴らしすぎる。あとVS2010とシームレスに完全統合されたF# Interactiveがヤバい。超凄い。こんなイイものがあったなんて……。というわけでF#書きたい欲とF#について色々書きたい欲が、ので次回は実践F#書評です、多分。いや、次々回かも。とりあえず近日中には。とにかくF#は絶対触るべきですね!

おまけ

と、いうわけで、生成を自動化します。F#スクリプトでdllのアセンブリ情報を読み込んでnuspecとnupkgを生成するものを書きました。

#r "System.Xml.Linq"
 
open System
open System.IO
open System.Diagnostics
open System.Reflection
open System.Xml.Linq
 
// 同ディレクトリにNuGet.exeを置いておくこと
// mainにはnuspecへの情報登録に利用するdllを、othersにはその他のものを;区切りで
// パスはこのスクリプトからの相対パス
let main = "bin/Release/ClassLibrary4.dll"
let others = ["bin/Release/System.CoreEx.dll"; "bin/Release/System.Interactive.dll"]
 
let pass p = Path.Combine(__SOURCE_DIRECTORY__, p)
let xn s = XName.Get(s)
 
// Load Assembly
type AssemblyInfo =
    { Id:string; Version:string; Description:string; Company:string }
 
let getAttr<'a> (asm:Assembly) = 
    asm.GetCustomAttributes(typeof<'a>, true) |> Seq.head :?> 'a
 
let info =
    let asm = Assembly.LoadFrom(pass main)
    let name = asm.GetName()
    { Id = name.Name;
      Version = name.Version.ToString();
      Description = (getAttr<AssemblyDescriptionAttribute> asm).Description;
      Company = (getAttr<AssemblyCompanyAttribute> asm).Company }
 
let filename = info.Id + "." + info.Version + ".nuspec"
 
// Build .nuspec
let nuspec =
    let file src = XElement(xn "file", XAttribute(xn "src", src), XAttribute(xn "target", "lib"))
    let delBlank = function "" -> "_" | x -> x
    XElement(xn "package",
        XElement(xn "metadata",
            XElement(xn "id", info.Id),
            XElement(xn "version", info.Version),
            XElement(xn "authors", delBlank info.Company),
            XElement(xn "description", delBlank info.Description)),
        XElement(xn "files",
            file main,
            others |> Seq.map file))
 
nuspec.Save(pass filename)
 
// output .nupkg
new ProcessStartInfo(
    FileName = pass "NuGet.exe",
    Arguments = "p " + filename,
    RedirectStandardOutput = true,
    UseShellExecute = false,
    WorkingDirectory = __SOURCE_DIRECTORY__)
|> Process.Start
|> fun p -> Console.WriteLine(p.StandardOutput.ReadToEnd())

DLLからVersionとかDescriptionとか取れてしまう、.NETのアセンブリがサクッと読み込めるF#いいわー。これだけだと情報は最低限なので、tagとかも入れたければ下の方のXElementを生成している部分に直書きで挟んでやればヨシ。スクリプトの軽快さは良いですね。なので設定というか読み込むファイルも先頭のほうで普通に直書きで指定しちゃっております。

そのまま使ってもいいんですが、ビルド後に実行するコマンドラインに指定してやれば一切の手間暇なく常にフレッシュ。おお、素敵。

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