Archive - 2014.04

Visual Studio Tools for Unity(UnityVS) - Unity開発におけるVisual Studioのすすめ

追記:Microsoftが買収してVisual Studio Tools for Unityとして無料でリリースされました、やったね!

Unityで開発するにあたってエディタは何を使っていますか?といったら、勿論Microsoft Visual Studio!というわけで、VSとUnityを統合してコーディング&デバッグを可能にしてくれるUnityVSの紹介をしたいと思います。とにかく素晴らしいので、超オススメ。ちなみに最新のVS2013にも勿論対応していますよ。

ちょうどUnite Japan 2014で、UnityVS作者のJb Evain氏が「Unityゲーム開発へのVisual Studio導入」というセッションを行い、勿論喜んで聞きに行った!感動した!ので、その講演をベースに紹介したいと思います。講演聞く前からUnityVSは使っていたのですが、改めて超良いなー、と、むしろもっと利用者を増やさなければ!という義務感がですね、はい。

Unityのスクリプト開発環境

UnityScriptの、じゃなくて.csとか.jsを何で書くか、のお話。

  1. MonoDevelop

標準同梱、色々なプラットフォームで動くし、ちゃんとIDEなので決して悪くない。が、Unityについてくるバージョンは古い場合が多く、そのためバグが残っていたり。また、日本語の入力が大変問題が多く叫ばれていたりする。

  1. 外部のテキストエディタ

SublimeやVim、Emacsなど。特にSublimeはよく使われているよう。非常に軽快で悪くない、とはいえ、IDEの持つ多くの機能を当然持っていないわけで、機能としては劣るといえる。SublimeはSublimeSocketAssetを入れると補完(弱)とかエラー表示とかは少しまかなえるようですけれど、Vimとかもそうですね、頑張れはするのだけれど、最終的にIDEに及ぶかというと、まあ、頑張れる。頑張れはする。

  1. Unityエディタ上のスクリプトエディタ

UnIDEとか。カジュアルな編集にはベンリだけれど専用に使っていけるか、というと……。

  1. Visual Studio

Windows専用。有料、安くない。とはいえ機能は最強。

そんなわけでVisual Studioを選べるのなら選ぶべき!なのだけれど、単純にUnityのエディタとしてVSを使うと幾つかの問題がある。

VSはMicrosoft .NET用でありUnity向けではない
VSのプロジェクト構造はUnityとミスマッチがある
2つのツール(Unity-VS)間でやりとりが取れない
デバッガーが動かせない(動かしにくい)

と、いった問題をUnityVSは解決し、両者を完全に統合してくれる。

UnityVSの機能

  • Unity Project Explorer

勿論、VSのソリューションエクスプローラーも使えますが、このUnity Project ExplorerはUnityのProjectウィンドウと同じ見た目を提供してくれるので、こっちのほうが選びやすい場合はこっちが使えます。

  • C#/Boo/UnityScriptのシンタックスハイライト/入力補完。

C#だけじゃなくてBoo, UnityScriptにも対応。普段はC#使ってても、AssetStore経由でBooやUnityScriptを取得することもあるだろうし(Booはあるのかなあ?)、全対応は良いこと素晴らしい。日本語のコメントを使うことも出来るし、入力補完等はVisual Studioそのものなので完璧。

  • メソッド生成ウィンドウ

MonoBehaviourのOnMouseEnterなどの雛形が直ちに作れるので、ついつい忘れがち/ミスりがちな名前をリファレンスからコピペったりしなくても作れる。画像のような大きなウィンドウの他に、その場でテキストベース補完でササッと作れるQuick MonoBehaviours Windowもあり。

  • リファレンスの統合

クラス名やメソッド名を選択してヘルプ→Unity API Reference、もしくはショートカットキーでVS上でその場でリファレンスが引けます(VS内ウィンドウで開かれる)。ベンリベンリ。

  • デバッグ

F5押すだけでデバッガをUnityにアタッチできる、当然動いてる最中はVSのデバッグ機能がフルに利用可。ローカルウィンドウもウォッチウィンドウも、ステップ実行も全て。(ただしCoroutineの中では挙動がかなり怪しくなるのでそこだけは注意)。

  • 外部DLLサポート

外部DLLを参照した場合でも、デバッガでしっかりとステップ実行できてとても嬉しい。あと、Visual Studioで開発できることの嬉しさに、サーバーサイド(C#/ASP.NET)とUnityのプロジェクトを同じソリューションに突っ込めるところがあったりします。移動が簡単だし、通信用データや幾つかのロジックが共有できたりする。サーバーサイドはPHPで開発なんておかしいよ!全部C#で書くんだよもん。例えば以下のような構成を取ってみる。

私がCTOを務めるグラニは、現在のところウェブベースのソーシャルゲーム(神獄のヴァルハラゲート、今CMやってますん)を提供していて、それはC# 5.0 + Windows Server 2012(IIS 8.0) + ASP.NET MVC 5で動いていたりします。サーバーサイドをC#で開発するのは得意領域なので、そのままにクライアントサイドとC#で融和出来れば、開発効率相当良い……!といったことがUnityVSならシームレスに実現できて素晴らしい。

実際、そうしたサーバーAPIをC#で書いて、そのメタデータを元にUnityの通信クライアントを自動生成、送受信データはサーバー側とクライアント側で共有するの前提にしたWebAPIフレームワークLightNodeというのを作ってます。(ところで絶賛エンジニアも募集してます←求人←宣伝)。

共有用のクラスライブラリは、UnityVS入れるとUnity用プロファイルで作れるのも嬉しい。

ちなみに、見た目上はVisual Studioのソリューションに収まっているとはいえ、Unityのシステム的に、VSのプロジェクト参照は無効なのは注意(参照してもUnity側でリロードすると消えちゃうの)。ルール通り、Assets下にDLLを配置する必要があります。それに関してはUnityVSのドキュメントDLL Debuggingで触れられてますが、ビルド後にAssetsにDLLを配置するように仕込むと良いもよう。例えば以下のようなものをShare.csprojに足してやればOK。

<!-- 実際にはDebugビルドとRelaseビルド分けるのもいれよふね -->
<Target Name="AfterBuild">
    <ItemGroup>
        <CopySource Include="bin\Debug\*.*" />
    </ItemGroup>
    <Copy SourceFiles=" @(CopySource)" DestinationFolder="$(SolutionDir)\Assets\External\" SkipUnchangedFiles="true" OverwriteReadOnlyFiles="true" />
</Target>

利用感としては、まぁまぁ悪くないです。メソッドの参照に飛ぶとDLLのメタデータを参照しに行ってしまうのが残念ではありますが。あとは.slnの場所がUnityプロジェクト下になってしまって構成がいびつなのがちょっとだけ辛い、かな?その辺の生成はカスタマイズできる - Project File Generationっぽいんだけど、上手くいかなくて今のところ断念中。

ということで

Unityの開発って結構Macで行ってる人が多いのですね。実にイマドキ……。それでも、スクリプティング環境はVisual Studioがベストだと思うんだなあ。VMにWindows入れてでもなんでも使ったほうが圧倒的に捗る、はず。少なくともエディタで苦労するよりは百億倍。ちなみにRemote Debuggingもあるようですよ。

それでもVisual Studioは高い……?うーん、そもそもUnity Proのほうがずっと高いんですが(VS Proは単品をふつーに買って6万ぐらい、色々な購入モデルがあるので実質もっと安くはなるかな)、それはおいといて、私がBuild Insiderに寄稿した記事でスタートアップ企業にマイクロソフト製品の開発ライセンスが無償提供されるBizSparkプログラム活用のススメ(タイトルクソ長い!)で紹介しているBizSparkというプログラムでは、設立5年未満の企業ならVisual Studioを無償で利用することが可能です。実際BizSparkはとても良い、助かる、助かってた。学生さんならDreamSparkという同様の学生支援プログラムがあります。

C#自体、非常に良い言語なのですが、Visual Studioと合間れば相乗効果で数倍数十倍に更に良くなるので、(たとえUnityのC#が古いバージョンだったりiOSのせいでAOTで苦しんだりしつつも)、良きC#生活を満喫して欲しい/したいところですねー。

Microsoft MVP for Visual C#を再々々受賞しました

今年も受賞できました。4年目です。去年の受賞した頃は謎社が始動し、タイトルもリリースされ、新しい人が入社しだす頃でした。その頃はまだPHPで実装されていたのですが、C#に移行するプロジェクトをちょうど始めた頃です。

C#による圧倒的な成果、C#だからこその強さ、というのを現実に示していく

というのを所信表明として掲げたわけですが、この一年で、成果は出すことができました。C#への移行は成功し、その強さ、体制は誇ることができると思っています。とはいえまだ、やっとスタート地点に立てたばかり。世間への認知は全然されていないでしょう。もっともっと強く、私にしかできないことを。

さて、個人として、MVPのありようというのはScott HanslemanのアナウンスChanges in the Microsoft MVP Program - MVPs for Open Source Contributionsのアナウンスの通りかな、と。ただのMicrosoftの広告塔だけじゃない貢献をしなければならない。そしてコードを現実に落としこむ馬力が求められるのではないか、と。

私はそうしてきたつもりですし、これからも、もっと、他の言語圏と較べても、より先進的に、そしてより実践的に。いつまでも.NETの、Microsoftのローカルな世界で閉じている場合ではない。C#こそが魅力的な選択であるということを、あらゆる角度から示し続けたいと思います。引き続き、今年もよろしくお願いします。

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Yoshifumi Kawai
Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies(C#)

April 2011
|
July 2019

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