Archive - 2018.10

株式会社Cysharpを設立しました

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株式会社Cygames、技術開発子会社を立ち上げ 株式会社Cysharp設立のお知らせ

Cygamesさんと共に、新しくCysharpという会社を立ち上げました。今年の5月に、創業期より参加し6年ほど取締役CTOを務めていた株式会社グラニを退任し、6月からNew Worldという会社を作っていたのですが、今後の活動は基本的にCysharpに集約していきます。

社名の通り、C#を全力でやる会社です。分かりやすい!という出落ちな社名が一周回って気に入ってます。

単一言語にフォーカスするのは勿論リスキーなのですが、自分達の働きがC#をレガシーにしない、むしろ常に最前線に押し上げていく。雇用も需要も作る。世の中のスタンダードをC#にする。という妄想、ではなくて覚悟でやっていくので、つまりは大丈夫にしていくのです。C#自体の発展が滞ってしまえばオシマイなのですが、そこもまた世界が盛り上がっているなら投資は続きます。逆に盛り下がれば、より危なさが増していくので、「業界全体やコミュニティの発展」が大事なわけで、そこを強く意識しながら動いていきたいですね。

もう一つは会社として多様性の確保をどこでやるのか。そもそもグラニの時からC#全振りで多様性のかけらもなかったのですが、無数にあるスタートアップは総体として多様性があればいいと考えてます。テクノロジーを固定して、当たるスタートアップもあれば外れるスタートアップもある。小さな企業がマイクロサービスだの多様性だので採用技術を分散させるのは、中途半端で力を集中させられないだけで、失敗する可能性を上げるだけです。

さて、Cysharpなのですが、親会社であるCygamesさんがかなり大きな企業で、会社を支えるモバイルゲームの部門もあれば、先月発表されたPS4向けのProject AwakeningのようなAAAゲームを内製ゲームエンジンで制作する部門もあれば、Cygames Researchのようなアカデミックに近い研究開発部門もある。大きな企業ならではの自社内での多様性、その中の一つとしてCysharpを考えれば、何も違和感はないでしょう。

私自身としても、個人、あるいは小さいところでやっていくのにはスケールに限界があり、もとより技術にフォーカスした会社を成立させるのはかなり厳しいと考えていたのですが(ミドルウェアで成立させている会社は本当に凄い!)、そしてせめてそれ自体が市場での価値があるものなら、プロダクトベースでやってやれないこともないのですが、「C#」を主軸にしてどうこうっていう、それ自体で大きな価値、大きな影響を作っていくのはかなり難しい。

そういうこともあったりなかったりで(中略)Cygamesさんと共にやっていくことになりました。こうした組み方であれば、言語にフォーカスするというのは、大きなシナジーを産めるはずです!

基本的にゲーム領域での技術開発を中心に行っていきますが、今までどおりに「業界全体の技術やコミュニティの発展に貢献してまいります」、というわけで、ゲームに限らず色々なところで使えるテクノロジーを発信し続けられると考えています。ゲーム業界が魅力的なのは、技術的にハイエンドであり、そこで培われる技術は広い目であらゆるところで役立つからです。実際、グラニでの成果は世界レベルで大きな影響を与えられたと思っていますが、よりスケールアップして、日本はもとより、世界でも大きい存在感を出せるようにしていければと考えています。

なので引き続き、開発した成果はOSSとして出していきますので、その辺はもろもろ安心してください。

会社としての究極的な目標は「C#大統一理論で世界征服」です。クライアントサイドとサーバーサイドに分けて、クライアントサイドでは(Unityの)C#スクリプティングで究極のパフォーマンスを目指す。サーバーサイドではLinux上で動く(さよならWindows Server).NET Coreにフォーカスして、C#でのコンテナベースでの次世代アーキテクチャの確立と実証。でやっていきます。そして両方そなわり最強に見える。

とりあえずまずはMagicOnionをリブートします:)

まだ積極的な採用までは行きませんが、「C#の可能性を切り開いていく」ことに共感し、本気でコミットしていく覚悟があるなら(ちなみにCLR至上主義みたいなのは私は好きではないです、それは可能性を狭めていることなので。UnityもCLRもそれぞれ共に良いと考えて、特性を引き出せる人が望ましいですね)、是非、私の方まで直接言って頂ければというところです。

ちなみにオフィスは渋谷/神泉ですので(Cygamesさんのフロアです)、お近くの方は是非是非。

Memory Management of C# with Unity Native Collections

と、題してECS完全に理解した勉強会で登壇してきました。

Memory Management of C# with Unity Native Collections from Yoshifumi Kawai

ECSは今後力を入れていきたい分野で、LTドリブン開発ということで、登壇するからにはやってこにゃ!という意気込みだったのですが諸々が諸々で色々間に合わずだったので、ややお茶を濁した展開になってしまいました。なむ。それは別として、これ自体は結構いい話なんじゃないかとは思います。

制約には必ず理由があるはずで、UnityやECSが持つ制約(それは時にC#らしくない、という難癖に繋がる)も、その理由をちゃんと紐解けば合理的な判断に見えるはずです。そこを示していきたいな、というのが今回の発表の流れです。時間的都合もあってECS成分が薄くなってしまいましたが、意味や繋がりは分かってもらえたはずです。私はCoreCLRのアプローチもUnityのアプローチも、どっちもいいと思ってるしどっちも面白く感じられているので、両者を見ながらC#の可能性を広げていきたいですね。

まるでC++というか原始時代に回帰してると言えなくもないんですが、表面のレイヤーはmanagedなC#であることに変わりないし、なるべくその表面のレイヤーを増やす努力は続いていると思われます!ただ、一昔前では、そこC++がー、とかそこはランタイムがー、で賄っていた部分がC#で実装するものとして表に出てきたんですね。これ自体はいいことなのですが、故に、使いこなすための知識としては、回帰してます。(Spanはunsafeまみれじゃないぞ、と言いたいかもしれませんが、Unsafe.***はunsafeマークのついてない実質unsafeなので、むしろより悪質です)。

時代は変わっていくし、C#らしさも変わっていくわけなので、そこは「面白く思うこと」が何より大事だし、変わったものには素直に従って深く追求していく姿勢が大事。乗り遅れず、最前線でやっていきましょう!

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Yoshifumi Kawai
Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies(C#)

April 2011
|
July 2019

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