LINQPad Driver + LINQ to BigQueryによるBigQueryデスクトップGUIクライアント

Happy signed!何かというと、長らく署名の付いていなかったGoogle APIの.NET SDKに署名が付いたのです!署名が付くと何ができるかというと、LINQPadのDriver(プラグイン)が作れます。LINQPadのDriverは署名なしだと起動できないので……。正直、私ももはや署名とか全然重視してないし100億年前の化石概念の負の異物だろ、ぐらいに思ってなくもないのですが、さすがに、LINQPad Driverを作れない、という事態には随分と嘆いたものでした。が、やっと作ることが出来て感無量。そして、実際動かしてみると相当便利ですね。これがやりたかったんですよ、これがー。

LINQ to BigQueryのLINQPad Driverが可能にする範囲は、

  • サイドバーでのスキーマのツリー表示
  • thisを読み込んでいるConnectionで認証済みのBigQueryContextに変更
  • 関連するアセンブリと名前空間を自動で読み込み
  • スキーマに対応するクラスを動的に生成/読み込み
  • ちょっとしたユーティリティDumpの追加(DumpRun/DumpRunToArray/DumpChart/DumpGroupChart)
  • もちろんクエリのローカルでの保存/読み込みが可能

です。元々のLINQ to BigQueryが提供している機能としては

  • TableDateRangeに対するサポート
  • DateTimeの自動変換(一部のBigQueryの機能はUnix Timestampで書く必要があり、実質手で書くのは不可能なものもありましたが、自動変換により救われる)
  • 結果セットをローカル時間に自動変換(基本的にUTCで帰ってくるので、ローカル時間で考える際に+9時間しなきゃいけなかったりしますが、C#側でデシリアライズする際にローカルタイムに自動変換する)
  • 全てが型付きで入力補完が全面的に効く
  • 全てのBigQuery関数の入力補完にドキュメント付き

があって(この辺の詳しい話は以前に書いたLINQ to BigQuery - C#による型付きDSLとLINQPadによるDumpと可視化を見てください)、相乗効果でかなり強まったのではないでしょうか。

公式ウェブコンソールで叩くのとどっちがいいかといったら、まぁ私自身も結構、ウェブから叩くのは多かったりしますので、どっちでもいいといえばいいんですが、それもプラグインを作る前は……かしら。今後は私自身もLINQPad利用が増えるかなー。明らかにウェブから叩くのじゃ提供できない機能というか、素のBigQuery SQLじゃ中々できない機能を多く提供しているわけで、LINQPad + LINQ to BigQUeryにはかなりのアドバンテージがあります。

Excel統合

問答無用に愚直なExcel統合があります。

legendary_dump_to_excel

そう、DumpToExcel()で実行すると結果セットがダイレクトにExcelで開く……。しかし実際こういうのでいいんだよこういうので感あります。Excelでクエリ書く系の統合は面倒くさい(実際アレはダルいのでない)。いちいちCSVに落として開くのは面倒くさすぎる。LINQPadでクエリ書く、結果がExcelで見れる。あとはピボットテーブルなりで好きに分析できる。そう、そういうことなんですよ、これなんですよ #とは

入れ方

ExplorerのAdd Connection→View More Drivers からLINQ to BigQueryを探して、clickでインストールできます。簡単。

image

かなり上の方のいい位置に入れてもらいました!

using static

BigQueryの関数はLINQ to BigQueryではBqFunc以下に押し込める形をとっていますが、C# 6.0から(Javaのように)静的メソッドのインポートが可能になりました。また、LINQPad 5でもスクリプトのバックエンドがRoslynになり、C# 6.0にフル対応しています。LINQ to BigQueryのDriverでは、LINQPad 5以上に読み込ませた場合のみ、using static BigQuery.Linq.BqFunc が自動インポートされます。

これにより、クエリを書いた際の見た目がより自然に、というかウザったいBqFuncが完全に消え去りました!関数名を覚えていない、ウロ覚えの時はBqFunc.を押して探せるし

image

慣れきった関数なら、直接書くことができる。完璧。

How to make LINQPad Driver

難しいようで難しくないようで難しいです。しっかりしたドキュメントとサンプルが付属しているので、スタートはそれなりにスムーズに行けるかと思います。一つ、大事なのはプラグイン開発だからってデバッグ環境に妥協しないでください。ふつーの開発と同じように、F5でVisual Studioが立ち上がってすぐにブレークポイント貼ってステップ実行できる環境を築きましょう。細かいハマりどころが多いので、それ出来ないと挫けます。逆に出来てれば、あとは気合、かな……?細かいやり方はここに書くには余白が(以下略

変わったハマりどころとしては、例えば別々に呼ばれるメソッド間で変数渡したいなー、と思ってprivate fieldに置くと、そもそも都度頻繁にコンストラクタが呼ばれて生成されなおすので、共有できない。なるほど、じゃあせめてstatic変数だったらどうだろうか?というと、LINQPadの内部の実行環境の都合上、AppDomainがガンガン切られて飛んで来るので、static fieldすら消える!マジか!なるほどねー厳しいねー、などなど。

ちなみに動的なアセンブリ生成ではCodeDomのCSharpCodeProviderを利用しています。つい先月、Metaprogramming Universe in C# - 実例に見るILからRoslynまでの活用例でCodeDomはオワコン、使わないとか言ってたくせに!舌の根も乾かぬうちに自分で使うことになるとは思わなかった!

まとめ

社内でのBigQuery活用法として、定形クエリのダッシュボードはDomoにより可視化、アドホックなクエリはLINQPad + LINQ to BigQueryによりクエリを色々書いたり、そのままExcelに送り込んで(LINQPadはデスクトップアプリなので、DumpToExcel()メソッドとかを作ることによりシームレスに結果セットをExcelに投げ込んだりできるのも強い)PowerPivotでこねくり回したり、などをしてます。とはいえ、今までは事前にスキーマに対応するクラスを生成して保存しておかなければならないという面倒くささがあったので、イマイチ活用しきれてなかったのも事実。実際、私自身ですらBigQueryの公式ウェブコンソールでクエリ叩いたりが多かったですし。それが、今回のLINQPad Driverにより圧倒的に利便性が上がった(というか前のがもはや原始時代に見える)ので、使える度合いが桁違いに上がったんじゃないかなー、と思います。

デスクトップGUIクライアントの便利さは、例えばMySQLだったらウェブでphpMyAdminよりもHeidiSQLやMySQL Workbenchのほうが100億倍便利なわけでして、良いところ沢山あるんですよね。BigQuery関連だとCloud DataLabなんかもちょうど出ましたが、ウェブとデスクトップ、それぞれ良さがあるので、ここはうまく使い分けていきたいところです。

最近のBigQueryのアップデートへの追随だと、新メソッドは全部実装が完了してます。また、GroupByへのRollupなど文法の追加もOK。ただ、大きな目玉であるUDF(User Defined Function)への対応がまだです。別にそんな難しくもないんですが、APIの馴染ませ方どうしようかな、とか思ってる間にLINQPad Driverの作成に時間喰われたので、対応入れるのは近いうちの次回ということで。

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Yoshifumi Kawai

Cysharp, Inc
CEO/CTO

Microsoft MVP for Developer Technologies(.NET)
April 2011
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July 2025

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